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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻6号

1985年06月発行

特集 図でみる病態産婦人科学--適正治療のために

腫瘍

子宮頸部前癌〜早期癌

著者: 井上芳樹1 野田起一郎1

所属機関: 1近畿大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.476 - P.481

文献概要

 前癌病変あるいは前癌状態という言葉には種々の意味合いのものを含んでおり,従来,厳密な手続きなしに癌になりやすい状態という程度に用いられることが多かったが,現時点における前癌病変の概念を整理してみると,癌化の中間段階にある細胞の構成する組織という意味での癌化中間病変と,単に癌化の起こりやすい状態という意味での癌化好発病変の2つに分けることができる。発癌機構と直接かかわりをもつと考えられるのは前者の癌化中間病変であり,この病変の認識は臨床家にとって重要な意味をもつこととなる。
 子宮頸部において癌化中間病変というものがどういうものであるかについては,これまでのfollow up study,病理組織学的検討,疫学的調査成績,地域における集団検診による各病変のincidenceの検討,および実験的に発生せしめたマウス頸の上皮病変についての成績などより,異形成上皮(dysplasia)であるとされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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