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文献概要
特集 図でみる病態産婦人科学--適正治療のために 腫瘍
卵巣癌
著者: 寺島芳輝1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学産婦人科学教室
ページ範囲:P.482 - P.489
文献購入ページに移動I.卵巣腫瘍の概念
卵巣には腫瘍のhot bedといわれるくらい,原発,転移性を問わず,多種多様の腫瘍が発生することは周知の通りである(図1,2)。これはわずか母指頭大ぐらいの大きさの臓器にもかかわらず,腫瘍化する発生母地がそれぞれ異なるためと考えられる。しかしながら,腫瘍発生については発癌遺伝子,モノクローナル抗体などその進歩には驚くべきものがあるが,今後解決すべき問題も多く,なお,speculationの域を出ていない。一般に,発癌剤などを使用し,実験的に腫瘍を発生させ,母組織を追求したり,すでに発生している腫瘍の形態と機能から,その起源を類推するという方法などが行われているが,腫瘍の発生過程や,母組織を直接知りうる手懸りに乏しく,実験モデルはそのままヒト腫瘍の発生に適用できるか否かの問題が残されている。
卵巣には腫瘍のhot bedといわれるくらい,原発,転移性を問わず,多種多様の腫瘍が発生することは周知の通りである(図1,2)。これはわずか母指頭大ぐらいの大きさの臓器にもかかわらず,腫瘍化する発生母地がそれぞれ異なるためと考えられる。しかしながら,腫瘍発生については発癌遺伝子,モノクローナル抗体などその進歩には驚くべきものがあるが,今後解決すべき問題も多く,なお,speculationの域を出ていない。一般に,発癌剤などを使用し,実験的に腫瘍を発生させ,母組織を追求したり,すでに発生している腫瘍の形態と機能から,その起源を類推するという方法などが行われているが,腫瘍の発生過程や,母組織を直接知りうる手懸りに乏しく,実験モデルはそのままヒト腫瘍の発生に適用できるか否かの問題が残されている。
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