文献詳細
文献概要
特集 図でみる病態産婦人科学--適正治療のために 胎児・新生児
新生児の頭蓋内出血
著者: 竹内豊1
所属機関: 1松戸市立病院新生児科
ページ範囲:P.529 - P.533
文献購入ページに移動I.概念
新生児とくに未熟児は脳血管系の発達が未熟であり,しかも仮死や肺疾患などで容易に低酸素血症に陥りやすく,この結果脳血流増加,脳うっ血を来しやすく脆弱な血管が破綻する。さらには分娩時の頭蓋変形に伴って脳膜や天幕の過伸展が生じた結果,血管の断裂破綻を来すこともある。このような因子で頭蓋骨内部に出血した状態を頭蓋内出血と総称している。頭蓋内へ出血が起こった場合には出血による脳細胞の壊死,圧迫による機能障害,さらに後障害として水頭症への移行などが生ずるので早期診断,早期治療は最重要なことである。新生児期の頭蓋内出血では出血部位による特異的症状に乏しいので神経症状で出血部位を診断することはなかなか困難である。近年,CTスキャンや超音波診断法の進歩によって出血と部位診断が極めて容易に行えるようになった。
新生児とくに未熟児は脳血管系の発達が未熟であり,しかも仮死や肺疾患などで容易に低酸素血症に陥りやすく,この結果脳血流増加,脳うっ血を来しやすく脆弱な血管が破綻する。さらには分娩時の頭蓋変形に伴って脳膜や天幕の過伸展が生じた結果,血管の断裂破綻を来すこともある。このような因子で頭蓋骨内部に出血した状態を頭蓋内出血と総称している。頭蓋内へ出血が起こった場合には出血による脳細胞の壊死,圧迫による機能障害,さらに後障害として水頭症への移行などが生ずるので早期診断,早期治療は最重要なことである。新生児期の頭蓋内出血では出血部位による特異的症状に乏しいので神経症状で出血部位を診断することはなかなか困難である。近年,CTスキャンや超音波診断法の進歩によって出血と部位診断が極めて容易に行えるようになった。
掲載誌情報