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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻7号

1985年07月発行

原著

卵巣癌試験開腹症例に対するsecond-look手術

著者: 関谷宗英1 岩沢博司1 大崎達也1 長田久夫1 小堀恒雄1 高見沢裕吉1

所属機関: 1千葉大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.605 - P.610

文献概要

 卵巣癌では初回手術時進行期癌が多く,不完全手術に終わる場合が多い。残存腫瘤に対して従来から放射線療法,最近では積極的な化学療法が行われるが,それぞれの効果にも限界があり,予後を著しく改善するに至っていない。可能な限り腫瘤を摘除する手術療法(debulking)が,卵巣癌の予後を決定する最も重要な因子であるので,現在不完全手術症例に対し再開腹による可及的な腫瘤摘除(second-look手術)が試みられている。またsecond-look手術は直視下における残存腫瘤の有無,治療打ち切りの判定,術後治療の効果,再発の診断など診断上の意義をも兼ねている。今回試験開腹症例の予後改善を目的としたsecond-look手術の意義について検討したが,初回手術後の化学療法あるいは放射線療法併用による有効症例で,second-look手術時触知できる腫瘤の残存が無い症例では,長期生存も期待できることが判明した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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