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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科39巻8号

1985年08月発行

文献概要

指標

Continuous CTG monitoring 適応とその意義

著者: 橋本雅1

所属機関: 1高知医科大学産婦人科教室

ページ範囲:P.619 - P.626

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 Fetal Distressの診断と予知は産科管理上非常に重要な問題である。主に分娩時にみられる顕性胎児仮死の診断にはCTG monitoringが有用であるということはすでに実証されている。それに対して,妊娠中の胎児仮死(潜在性胎児仮死)は放置すれば妊娠分娩中に顕性胎児仮死となり,胎児死亡に至ることがあるが,その症状悪化の予測および分娩に踏み切る時期の決定は非常に困難である(表1)。
 潜在性胎児仮死の診断はE3,hPL等の生化学的方法あるいはcardiotocogram (CTG)によるNon stresstest (NST),Contraction stress test (CST)等の方法によってなされる。また最近では,Fetal Breathing Mo—vement, Fetal Movementも胎児仮死の診断の参考となるとされている。特にCTGによる診断は胎児そのものよりの情報であり,現在の胎児の状態を直接反映していると考えられ,潜在性胎児仮死診断の最も確かな診断方法とされている。しかし,CTGによる胎児仮死の診断法であるNSTはfalse positiveが多いという欠点があるが簡便である。CSTには人的・時間的節約,禁忌症例が多いという欠点がある。その解決方法の一つがわれわれの提唱するcontinuous fetal monitoringであると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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