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症例研究
虫垂炎性腫瘍と誤られた卵巣類皮嚢胞の1例
著者: 宮下悌次1
所属機関: 1昭昭醫科大學産婦人科學教室
ページ範囲:P.26 - P.27
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卵巣類皮嚢胞は全卵巣腫瘍中歐人間では平均約10%,吾國では約20%の發生瀕度であるその化膿は統計上2.5%前後が多く比較的稀れであると考える.
此の嚢胞は長年月間無害に經過し發育緩慢である.大さの割合に比し重量大である關係上小骨盤腔内に於ける移動性が少くない.爲めに周圍との癒着,莖捻轉化膿腐敗惡性等の續發症を有し,全卵巣腫瘍中66%〜78%前後の最多の化膿率を示す.特に妊娠分娩産褥等との合併は非妊娠時に比し化膿率はより高度である.化膿と莖捻轉とは手術的救急處置も餘儀なくされる.本例は虫様突起炎性腫瘍と誤り,某醫に依り腹堅上より穿刺を受け穿刺部が腹堅瘻孔を形域し,長期に渉り保存的姑息的な療法が行われていたものを剔出手術により全治した症例である.
卵巣類皮嚢胞は全卵巣腫瘍中歐人間では平均約10%,吾國では約20%の發生瀕度であるその化膿は統計上2.5%前後が多く比較的稀れであると考える.
此の嚢胞は長年月間無害に經過し發育緩慢である.大さの割合に比し重量大である關係上小骨盤腔内に於ける移動性が少くない.爲めに周圍との癒着,莖捻轉化膿腐敗惡性等の續發症を有し,全卵巣腫瘍中66%〜78%前後の最多の化膿率を示す.特に妊娠分娩産褥等との合併は非妊娠時に比し化膿率はより高度である.化膿と莖捻轉とは手術的救急處置も餘儀なくされる.本例は虫様突起炎性腫瘍と誤り,某醫に依り腹堅上より穿刺を受け穿刺部が腹堅瘻孔を形域し,長期に渉り保存的姑息的な療法が行われていたものを剔出手術により全治した症例である.
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