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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科4巻11号

1950年11月発行

原著

骨盤應形機能に關する臨床的觀察

著者: 野島美喜造1

所属機関: 1慶應義塾大學醫學部産婦人科教室

ページ範囲:P.439 - P.446

文献概要

緒言
 分娩は兒頭,産道及び陣痛の3要素で左右される一つの複雜な機械的現象である。強力な陣痛及び腹壓によつて産道内に壓入される兒頭は,廻旋運動更に兒頭應形機能を行い自己を縮小させて産道を通過する。産道に就ては,軟産道は兒頭の壓迫により伸展擴大して通過管を形成するが,骨産道に就ては如何であるか。女性骨盤には2つの相對立する作用がある。1つは立位或は歩行時の靜力學的,動力學的支持作用であり,他は分娩時の産道としての作用である。支持作用からみれば骨盤,骨盤關節とその靱帶は強固強靱であるを要するが,産道としてみれば反對に弱く移動性を有することが好都合である。
 骨盤應形機能とは兒頭の骨盤腔通過に順應する骨盤腔の擴大である。輓近骨盤關節及びその附屬靱帶に關する妊娠分娩時の病理學的,レ線學的,比較解剖學的及び臨床的諸知見は多數集積され應形機能の存在に關する基礎的知見は強化された。私はこの機能の存在程度及び臨床的意義を知ろうとして産婦の骨盤外計測を行いいさゝか成績を得たので茲に報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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