icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科4巻12号

1950年12月発行

文献概要

原著

卵巣出血に就て

著者: 馬淵學1

所属機関: 1三重縣農協文厚連紀勢病院産婦人科

ページ範囲:P.482 - P.483

文献購入ページに移動
緒言
 卵巣出血は比較的稀有であつて出血量も自覺症状を發現するものに於ても比較的少量の數10c.c.より一立以上に及ぶものまで種々存在し,内莢膜血管より出血するも其の原因はホルモン作用に起因する卵胞周圍血管の抵抗滅弱の素地の下に何等かの誘因即過動性交等加わり惹起するのであろうと言うも今日未だ不明の域を脱しない。
 出血部により卵胞出血と黄體出血とに分つも,前者よりも後者の方が多い様である。卵巣出血による大量の腹腔内出血は其の症状より,他科に於ては子宮外妊娠中絶と同様急性虫垂炎と診斷される事多く,産婦人科に於ては眞に性的關係を否定し得ぬ限り子宮外妊娠中絶に於ても月經又は月經樣出血を缺く事なき場合多き故子宮外妊娠中絶と誤診される事が多いのは當然である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?