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原著
Phenolsulfonphthaleinによる卵管通檢査法(PSP test)に就て
著者: 小國孝德1
所属機関: 1北海道大學醫學部産科婦人科教室
ページ範囲:P.108 - P.110
文献購入ページに移動 緒言 不妊症に關する研究は今日迄既に凡ゆる角度から行われ,特に戰後主としてアメリカの學者に依て發表された排卵機能の檢査法,不妊婦人と精液に關する關係或は亦ホルモン劑の實驗的臨床的檢討等に於て續々新知見が加えられつつある現況であるが,而も不妊原因の最大を占むるものは依然として子宮附屬器の炎性症患に基づく卵管閉鎖であるに拘らず,獨り此の方面の診斷治療のみは遺憾乍ら未だに十年一日の感なきを得ない.
元來不妊婦人に對する治療は特に原因療法を要する事は申す迄もなく之が診療に當つて先ず卵管疏通性の有無を檢査する事は絶對不可欲の一要件である.卵管の疏通性檢査法としては從來卵管通氣法,通水法及び造影法の法が行われ,何れも夫々一利一失を有している.吾々は主に通氣法を使用し,必要に應じて通水法或は造影法を併用してきたが,更に操作簡單にして確實度高く,判定容易にして危險なく而も餘り經費を要しないという樣な疏通性檢査法の出現を期待しつつあつた次第である.
元來不妊婦人に對する治療は特に原因療法を要する事は申す迄もなく之が診療に當つて先ず卵管疏通性の有無を檢査する事は絶對不可欲の一要件である.卵管の疏通性檢査法としては從來卵管通氣法,通水法及び造影法の法が行われ,何れも夫々一利一失を有している.吾々は主に通氣法を使用し,必要に應じて通水法或は造影法を併用してきたが,更に操作簡單にして確實度高く,判定容易にして危險なく而も餘り經費を要しないという樣な疏通性檢査法の出現を期待しつつあつた次第である.
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