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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科4巻5号

1950年05月発行

文献概要

診療室

妊娠5,6,7ヵ月頃の新妊娠中絶法

著者: 橋爪一男1

所属機関: 1日大醫學部

ページ範囲:P.206 - P.208

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第1案 臍帶結紮法
 妊娠5,6,7ヵ月頃は一番人工中絶のやりにくい時期である.色々な缺點のあるアブレル氏法が近時異常な流行を見せているのも從來の諸法にあき足らない所が多いために他ならない.それは此の時期は子宮頸管を急速に開大して胎兒をはさみ出すには少々大き過ぎる.止むなく陣痛を催起せしめて自然分娩の經過を取らせるのであるが,何分にも時期が中途半端なので,各種の方法に抵抗して子宮は容易に反應してくれないのである.一番多く使われて來たブージー挿入法は時に非常によく効くこともあるが,反對に4,5日かかつてもサツパリ効いて來ないことも珍しくないのである.アブレル氏法は奏効は100%に近い代り,時に突如として患者の生命を危殆に頻せしむる場合があり,廣く一般に推擧するには尚多分に考慮の餘地があるものと思われる.
 筆者はかねて從來の諸法に代る可き安全,確實な方法は無いものかと考えた末,臍帶結紮に依る兒の一次死亡に依り二次的に陣痛を誘發せしむる方法を考案,その詳細を記述して諸兄の御追試を希望する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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