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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科4巻6号

1950年06月発行

綜説

産婦人科領域に於けるビタミンB2(リボフラビン)

著者: 古賀康八郞1

所属機関: 1弘前醫科大學産婦人科教室

ページ範囲:P.219 - P.222

文献概要

緒言
 ビタミンB群中には熱に不安定な抗神經炎因子と熱に安定な成長促進因子とがあり,その各々をアメリカではビタミンB,ビタミンFに區別し,イギリスではビタミンB1,ビタミンB2と呼んでいた.其後ビタミンB2には生物化學的作用を異にする多數の因子のあることが明かになりビタミンB2複合體と總稱され,ビタミンB2(リボフラビン,ラクトフラビン,ビタミンG),ビタミンB6,ニコチン酸(抗ペラグラ因子),ビタミンL,葉酸其他10數種が發見されているが,ここには主としてリボフラビンに就て述べる.
 リボフラビンは1933年Waeburg,Chrirtian 及びKuhn,Rudy等が結晶の分離に成功した6:6—dimethyl−9—d-ribityl-isoalloxazineである.其化學的性状は熱に安定で,脂肪溶媒に難溶,水に溶解し易く,強酸溶液には安定であるが,アルカリ溶液及び光線殊に紫外線に不安定である.廣く動植物組織中に存在し,殊に卵黄,卵白,魚卵,乳,肝,腎,青野菜,麥芽,酵母中に多量證明され,生體内では燐酸化合物として存在し,糖,アミノ酸,脂肪酸等の酸化還元に缺くことの出來ない黄色酵素の構成要素で榮養上重要なビタミンである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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