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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科4巻8号

1950年08月発行

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海外の動き

ページ範囲:P.338 - P.339

文献概要

Rh陰性妊婦の新治療法—豫報
 Rh因子と胎兒赤芽細胞症との關係が明らかにされてより,此の治療法の研究が流行になつている.Hoff man,P.B, and Edwards, D.E.(Am. J. Obst. & Gynec. 59:207-209, 1950)は妊娠中胎盤絨毛を通じて胎兒抗原が母體中に移行するのを阻止出來得れば胎兒赤芽細胞症の大部分は豫防出來ると考えた.婦人に於ける出血及び流産の原因中には子宮收縮性の昻進或は胎盤或は子宮側に於ける機能的或は器官の異常性に基くものがあることは知られている.又Rh陰性妊婦が子宮收縮,出血,流産の傾向の存することも知られている.之を豫防するために彼の用ひた方法は成る可ぐ妊娠初期から黄體ホルモンanhydro-hydroxy-progesteroneを毎日10mg.内服.Vitamin Kを毎週4.8mg筋肉内注射をして之を分娩迄繼續するのである.初診時に既に抗Rh抗體の産生している爲には黄體ホルモンを毎日30mg投與した所此の3例に於ては何れも抗體の減少乃至消失か見られ赤芽細胞症は一例も生れなかつたのに比し,治療しなかつた3例に於ては2例赤芽細胞症の兒を生み,その1例は死亡した.
 以上少數例ではあるが彼の着想とその成績は興味深きものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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