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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科4巻9号

1950年09月発行

診療室

帶下の治療について

著者: 藤井久四郞1

所属機関: 1東京醫科齒科大學産婦人科

ページ範囲:P.373 - P.375

文献概要

 7月24日に東京地方部會でこのテーマをとりあげて座談會をした.この問題は古くから診療室での惱みのたねであつたが,化學療法やホルモン療法がかなり進歩した今日に於ては,どのように變化しておるであろうか,興味の必ずしも少くないことであろう.私は傍聽者として當日の記臆をたどりその大勢を讀者のかたにお傅えしようと思う,
 先ず帶下は多かれ少かれ,婦人に認められるものであろが,生理的と病的との限界はどこにおかれておるかの問題がある.眞柄教授は,Papanic—olaouの膣内容塗抹標本の研究によりSchroderの膣清淨度の概念がかなり改められねばならぬことを指摘し,また膣内容の酸度に對しては膣内杆菌よりもエストロジェンの重要視すべきことを述べられた.すなわちSchroderの第1度というのは白血球を含まず上皮細胞と膣杵菌だけが膣内容に證明される場合であるが,これだけが正常状態であるという考え方は正しくない,何故ならば膣内容の形態は月經周期によつて變化し,排卵前期には第1度の状態が見られるが,排卵後期には白血球がかたり多數あらわれ,上皮の形態も複雜になつて來る.そして細菌も必ずしも杆菌のみではなくなる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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