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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科40巻1号

1986年01月発行

文献概要

臨床メモ

巨大児は妊婦の出生体重から予測できる

著者: 貝原学1

所属機関: 1東大分院産婦人科

ページ範囲:P.65 - P.65

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 子宮内胎児発育遅延の発生原因を追求した研究は多いが,巨大児の発生に関する研究は極めて少ない。巨大児が発生する原因として,母体の糖尿病が関与することはよく知られているが,これは巨大児の原因の約10%を占めるにすぎない。また母体の身長,妊娠前の体重や妊娠中の体重増加なども巨大児発生の原因となることが判明しているが,巨大児の1/3はその発生機序は不明である。巨大児は分娩時に母児双方に対して外傷をもたらし,種々な罹病をもたらす原因となるので,その発生原因を知ることは産科臨床上重要な課題であるといえる。
 Klebanoffら1)は,児体重と母体が出生した時の体重との関係について検索したところ巨大児の診発生原因について極めて興味ある知見を見出しいる。彼等は,バッファロー・センターで単胎児を分娩した1,335例の妊婦について,彼女等が出生した時の体重と,彼女らが分娩した児の大きさとの関係について検索した。妊婦自身が生まれた時の体重が8ポンド(3,629g)以上の場合にLFD (large for dates)児を生んだ頻度を100とすると,6〜7.9ポンドではLFD児の頻度は50.4〜5.9ポンドの場合には15にすぎなかった。児体重が4,000g以上の巨大児の場合についても同様の関係が認められており,母体の出生時の体重が8ポンド以上であった場合の巨大児の発生頻度を100とすると,6〜7.9ポンドでは36, 4〜5.9ホンドでは14にすぎながった。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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