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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科40巻10号

1986年10月発行

文献概要

原著

産褥高血圧の臨床的検討

著者: 丸本百合子12 貝原学13

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院産婦人科 2現在同愛記念病院産婦人科 3現在帝京大学市原病院産婦人科

ページ範囲:P.777 - P.779

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 分娩後にはじめて重症型の高血圧を発生した症例を検討し,以下の結果を得た。
1)産褥重症高血圧の発生は,全分娩中の1.9%に認められた。
2)産褥重症高血圧23例のうち,妊娠中に軽症の高血圧を認めたものは,16例であった。
3)妊娠中に軽症の高血圧を認めた症例のうちで,蛋白尿を合併したものと,反復して高血圧を認めた症例に,産褥重症高血圧が高率に発生した。
4)産褥重症高血圧を発生した症例の児の出生体重は,対照群に比して有意に小さいことが認められた。
 以上により,妊娠中に軽症の高血圧が蛋白尿を伴って反復して出現する場合には重症型の妊娠中毒症と同様のintensiveな管理が必要であること,また妊娠中毒症における胎児胎盤系の異常は中毒症々状発生以前から出現することが判明した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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