icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科40巻11号

1986年11月発行

臨床メモ

臍帯の長さと胎動

著者: 貝原学1

所属機関: 1帝京大学市原病院産婦人科

ページ範囲:P.817 - P.817

文献概要

 臍帯の長さは個人差が大きく,3mに達する非常に長いものから,数cmと極めて短いものまで広い範囲にわたって分布している。このように臍帯の長さには他の臓器にはみられないような大きな個体差が存在するが,どうしてこのような差が生じるのであろうか。
 臍帯の長さは,胎児の運動の大小と密接な関係があることが動物実験によって明らかにされている。Mo—essingerら1)は,ラットを用いて,羊水過少症を実験的に作成して胎動を抑制したり,胎児にクラーレを直接投与して胎動を消失させたりして胎動が臍帯の長さに及ぼす影響を観察した。その結果,このような動物では臍帯の長さは明らかに短くなることが観察された。また逆に,胎児を子宮腔内から取り出して腹腔内に移すと,臍帯の長さは明らかに延長することが認められた。これらの事実は,臍帯は胎動などの臍帯に加わる力によって,その長さの発育が促進されることを物語っている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら