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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科40巻11号

1986年11月発行

文献概要

トピックス

Nonstress test (NST)における一過性徐脈の臨床的意義

著者: 田部井徹1

所属機関: 1赤心堂病院

ページ範囲:P.818 - P.818

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 Nonstress test (NST)は,胎動あるいは自然の子宮収縮に伴う胎児心拍の一過性変動を分析して妊娠中における胎児予備能を判定する検査法である1)。一過性変動は,胎児心拍が一時的に増加する一過性頻脈accelerationと逆に減少する一過性徐脈dccelerationがある。reactiveなNSTは振幅15 bpm以上15秒間以上持続する,一過性頻脈が20分間に2回以上出現し,さらに正常な微細変動variabilityを示し,胎児の状態は健康であると判定する。一方,子宮収縮に伴う遅発性あるいは変動一過性徐脈の出現は,潜在性胎児仮死が疑われ,nonreactiveと判定し,Contraction stress tests (CST)の適応となる。
 従来から,NSTにおける一過性徐脈の臨床的意義に関しては,種々の検討が加えられてきたが,子宮収縮に伴う遅発性あるいは変動一過性徐脈に関してが多い。NSTにおける変動一過性徐脈の出現は,臍帯異常,羊水過少,あるいは子宮内胎児発育不全などに起因することが多い。一般に,一過性徐脈の出現頻度は,1.6%2)〜56.8%3)と著しい差があるが,一過性徐脈の定義が報告者により相異するためと思われる。然るに,一過性徐脈の定義を明確に記載した報告は3論文2,4,5)に過ぎない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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