文献詳細
文献概要
先進医療—日常診療へのアドバイス 特集 生殖医学の進歩
配偶子卵管内移植(GIFT法)の現状とその問題点
著者: 田中温1
所属機関: 1越谷市立病院産婦人科
ページ範囲:P.204 - P.205
文献購入ページに移動I.腹腔鏡下配偶子卵管内移植のはじまり
体外受精・胚移植は卵管形成術では妊娠の望めない両側卵管閉塞の治療法として開発されたが,最近では男性不妊症や原因不明の不妊症に対しても広く応用されつつある。しかし,その適応性についてはなお多くの議論がなされている。また当科における卵管性不妊症を検討した結果,体外受精・胚移植の適応である両側卵管の完全閉塞の症例は,かならずしも多くなく,一側の卵管は開存している症例の方がむしろ多数を占めることが判明した1)。さらにこの点とNoyesら4,5)の研究を参考とし,受精,卵割の場を自然と同様に卵管内に求め,排卵前の卵胞卵と精子とを卵管采より卵管膨大部に移入する配偶子卵管内移植法に着眼した(図1)。本法による妊娠率を検討するためにマウスを用いた実験6)を行った。その結果良好な成績を得ることができたために,昭和59年より臨床応用を始めた。
体外受精・胚移植は卵管形成術では妊娠の望めない両側卵管閉塞の治療法として開発されたが,最近では男性不妊症や原因不明の不妊症に対しても広く応用されつつある。しかし,その適応性についてはなお多くの議論がなされている。また当科における卵管性不妊症を検討した結果,体外受精・胚移植の適応である両側卵管の完全閉塞の症例は,かならずしも多くなく,一側の卵管は開存している症例の方がむしろ多数を占めることが判明した1)。さらにこの点とNoyesら4,5)の研究を参考とし,受精,卵割の場を自然と同様に卵管内に求め,排卵前の卵胞卵と精子とを卵管采より卵管膨大部に移入する配偶子卵管内移植法に着眼した(図1)。本法による妊娠率を検討するためにマウスを用いた実験6)を行った。その結果良好な成績を得ることができたために,昭和59年より臨床応用を始めた。
掲載誌情報