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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科40巻3号

1986年03月発行

文献概要

先進医療—日常診療へのアドバイス 特集 生殖医学の進歩

Early Pregnancy Factor (EPF)活性の意義とその臨床応用

著者: 末岡浩1

所属機関: 1慶応義塾大学医学部産婦人科教室

ページ範囲:P.223 - P.225

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 受精のindicatorとしてロゼット抑制反応の増幅作用で検出されるearly pregnancy factor (EPF)が1974年オーストラリアのH. Mortonによって報告されて以来,これまでにヒトを含めた各種哺乳類の血中,尿中および体外受精卵培養上清より検出されたことが報告きれている1〜9)。主な検出部位と検出時期について表1に示すが,我々は体外受精卵培養上清から授精後わずか15時間の前核期にEPF活性を検出し,さらに卵丘細胞を除去した前核期から4ないし8細胞期まで培養した培養上清中にも活性を認めたことを報告した9)。このことはEPFが受精後間もない,しかもタンパク合成の開始される以前の受精卵より出現したことになり,EPFが産生さねたのではなく,受精により放出された可能性を強く示唆している。また,胚移植前後の母体血中EPFは妊娠功例では第3日目より高値をとり,少なくとも第7日目まて’増強または高値が持続した。早期流産例では第3日目より上昇を示してても早期にプラトーに達し,明らかに妊娠例に比較して低値を示した。また非妊娠例では全く活性の上昇を認めないか,第3日目頃軽度上昇を示してもすぐに低下をし.少なくとも第6日目には低値を示した。このことは受精によってEPFが放出されたとすれば,受精卵が変性したか,または着床せずに体外へ排出したことを示唆している。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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