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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科40巻3号

1986年03月発行

講座 実地医家のためのホルモン講座

ホルモン療法の実際・3

機能性出血の治療

著者: 平野睦男1

所属機関: 1東北大学医学部産科学婦人科学教室

ページ範囲:P.230 - P.236

文献概要

 機能性出血(機能性子宮出血)とは,月経とは無関係に持続性または断続性にみられる子宮出血のうち,器質性子宮出血を除外した内分泌失調に基づくものを総称した疾患名である。倉智(1971)が大阪大学産婦人科における満3年間の機能性出血患者の年齢分布をみたところ,成熟期婦人に最も多く,庭年期出血がこれにつぎ,若年出血は最も少なかったと報告し(松本2)による),また中山(1974)4)は東京大学産婦人科においても,機能性出血は成熟期婦人に最も頻度が高く,次いで更年期に多かったと報告している。
 したがって,機能性出血は内分泌環境の不安定な思春期や,卵巣機能の衰退期である更年期に発生しやすいとは限らず,このことは機能性出血の発生機序には性腺系内分泌機能以外の因子,たとえば線溶現象なども関与している可能性も考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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