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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科40巻5号

1986年05月発行

トピックス

性腺(卵巣・睾丸)におけるGnRH受容体

著者: 田部井徹1

所属機関: 1赤心堂病院

ページ範囲:P.379 - P.379

文献概要

 Gonadotropin releasing hormone(GnRH)は,視床下部で律動的に産生分泌され,下垂体門脈を経て下垂体前葉からgonadotropinを放出させる作用がある。下垂体におけるGnRHの作用機序は依然不明な点があるが,GnRHと特異的に結合する蛋白であるGnRH受容体を介してLHあるいはFSH分泌を促進・抑制している。米国NIHのClaytonら1)はラットード垂体におけるGnRH受容体の存在を証明し,またLoumageら2)は,GnRHagonistに対する受容体をradio—ligand receptor assay法により検討した。さらにミシガン大学のDalkinら3)は,ラット下垂体に存在するLHRH受容体の生化学的な特徴として,高い結合能(Ka=6.5×109M−1)を認めた。結合定数の性差は認きめなかったが,雌ラットの受容体濃度は,雄の2倍以上であり,加齢など成熟過程の影響を受け増減し,とくに思春期における濃度が最も高値であったと報告した。
 ヒト下垂体に存在するGnRH受容体を初めて報告したのは,1985年,南ア・ケープタウン大学のWormaldら4)であり,高い結合親和性(Kd=4.81nM)を認め,ヒト受容体の分子量は6,4000daltonであり,ラットの値と等しかったと報告した。Claytonら1)は,下垂体におけるGnRH受容体に関する総説を発表した。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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