文献詳細
先進医療—日常診療へのアドバイス 特集
胎児心拍数曲線の考え方—発現機構とその調節
胎児心拍測定の誤差とその限界値
著者: 穂垣正暢1 八木憲一郎1 大川とみ1 竹内康人2
所属機関: 1帝京大学医学部産婦人科教室 2横河メディカルシステム
ページ範囲:P.581 - P.584
文献概要
したがって,心拍曲線の定量分析にあたっては,使用している装置の測定限界を知るとともに,原信号の質的分析を行うことが欠かせない。このように注意を払わないで心拍曲線の分析を行った例として,数年前に流行した心拍曲線の一次微分曲線の分析があげられる。それは,心拍間隔の変化分の測定には,測定器に要求される精度として 1 msec が最低限必要であるにもかかわらず,当時の心拍数計の誤差限度は5〜10msecであることを無視して測定を行ったために,結果として得られた微分曲線は判読不能となった報告がある。
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