臨床婦人科産科40巻9号

1986年09月発行

原著

性成熟期婦人における内分泌動態の風疹ワクチン副反応発現におよぼす関与について

著者： 藤本征一郎¹ 中園直樹² 田中俊誠¹ 菅原卓¹ 桜木範明¹ 花谷馨¹ 一戸喜兵衛¹

所属機関： ¹北海道大学医学部産婦人科学教室 ²北海道大学医学部公衆衛生学教室

ページ範囲：P.707 - P.710

　性成熟期の健康婦人110人を対象に，高率にみられる風疹ワクチンの臨床副反応の減少を目的に，宿主の月経周期，BBT，血清プロゲステロン動態を中心とした内分泌環境を検索し，副反応発現率との関係を明確にしえた。この成績より，R-HI抗体陰性率の高い挙児希望婦人層（とくに22〜29歳）に風疹ワクチンを接種する場合，黄体期は妊娠の可能性と副反応発現率が高いことから避けなければならないものと結論された。