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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科41巻11号

1987年11月発行

臨床メモ

ダナゾールの少量投与による月経前症候群の治療

著者: 貝原学1

所属機関: 1帝京大学市原病院産婦人科

ページ範囲:P.727 - P.727

文献概要

 月経前症候群(premenstrual syn—drome)は,月経周期の後半に,ゆううつ,いらだち,不安感,性欲の消失などの精神症状や,頭痛,浮腫,乳房緊満感,下腹部の膨満感や疼痛などの身体症状が出現するもので,時にはこれらの症状が強くて社会生活や家庭生活に支障をきたしたり,まれには,自殺,アルコール依存症あるいは傷害事件に発展する場合もある。ふつう,月経前7〜10日頃に症状が発現し,月経開始後24時間以内に消失する。本症候群は,初潮前の女性や閉経後の女性にはみられないため,内因性の性ステロイドホルモンが本症の発生に重要な役割を演じていると考えられる。
 本症に対する治療法として,従来より種々の薬物療法が試みられてきた。例えば,ゴナドトロピン放出ホルモン・アナログは,本症に極めて有効であると報告されている1)。しかし,この薬剤は卵巣機能を抑制するという欠点も有しており,実地臨床上使用するまでには至っていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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