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原著
単胎例における臍帯付着異常に関する検討
著者: 今井史郎1 入江真行2 中山雅弘3
所属機関: 1大阪府立母子保健総合医療センター産科 2大阪府立母子保健総合医療センター企画調査部 3大阪府立母子保健総合医療センター病理
ページ範囲:P.851 - P.855
文献購入ページに移動1)発生頻度は卵膜付着1.7%,辺縁付着4.4%であった。辺縁付着は卵膜付着の2.6倍であり,両者を合計すると臍帯付着異常は6.1%あった。
2)軽症妊娠中毒症は辺縁付着が対照に比し高頻度であり,重症の妊娠中毒症は卵膜付着,辺縁付着共に対照に比し高頻度で,卵膜付着でその差は著明であった。
3)分娩週数の平均は卵膜付着36週2日,辺縁付着37週2日,対照38週0日で,3群間で有意差を認めた。早産率も卵膜付着,辺縁付着,対照それぞれが35.0%,24.8%,15.0%であり3群間で有意差を認めた。
4)−1.5S.D.以下の胎児発育遅延が卵膜付着で16.2%,辺縁付着で6.9%,対照で9.6%に見られ,卵膜付着が辺縁付着,対照に比し有意に高頻度であった。
以上のことから臍帯付着異常の病態の根底は慢性の胎児—胎盤循環不全にあると考えられた。
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