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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科41巻2号

1987年02月発行

グラフ 産婦人科とCT・2

CTとNMR

著者: 岡田吉隆1 板井悠二2

所属機関: 1東京大学医学部放射線医学教室 2東京大学医学部中央放射線部

ページ範囲:P.68 - P.69

文献概要

 NMR (nuclear magnetic resonance)とは,静磁場のもとにおかれた原子核のスピンが特定の電磁波により共鳴を起こす現象である。医学領域でこれを応用した画像診断法はMRIと呼ばれ,ここ数年で急速な進歩と普及を見せている。通常のX線CTと比較したMRIの利点は,①矢状断や冠状断など任意の断層面の画像が得られる,②軟部臓器間のコントラストが良好,③X線被曝の問題がない,などが挙げられ,婦人科領域の診断法として有用な性質を有している。
 図1に卵巣類皮嚢腫の例(25歳)を示す。CT (a)で子宮・膀胱の前方に辺縁整な球形の腫瘤が見られ,内部に脂肪の成分が認められる。MRI横断像(b)および矢状断像(c)で同様の腫瘤が明瞭に認められる。矢状断により後方の子宮との関係がよく把握できる。腫瘤内部の高信号強度は脂肪の存在を示唆する。本例では他の断層面にて歯牙成分を含むところがあり,これはCTで明瞭に描出されたがMRIでは描出困難であった。なお図1cで,子宮内膜と子宮筋層が明瞭に分離されている点にも注目されたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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