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境界領域の再評価とその展開 特集
新生児異常をめぐって
文献概要
新生児期に泌尿器科的疾患が問題となる機会は比較的少ない。これは停留精巣や尿道下裂などの外性器の異常はしばしば発見されるが緊急性に乏しく,また実際に緊急性のある水腎症や水腎水尿管症などの閉塞性尿路疾患はこの時期には症状に乏しく,明らかな症状が出現しないかぎり診断にいたらないためと考えられる。しかし,近年の小児泌尿器科診断学の進歩は目ざましく,閉塞性尿路疾患に対する手術年齢は確実に若年化しており,これが治療技術の改善ともあいまって,疾患の予後を徐々に良くしている。特に最近では胎児診断が一般的となりつつあり,これからは更に早期発見,早期治療の方向に向かうものと期待され,実際に胎児診断で発見された閉塞性尿路疾患で,出生後手術を目的として紹介される症例が年々増加している。本稿では閉塞性尿路疾患に対する診断,治療を中心に,新生児期にみられる泌尿器科的異常について述べる。
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