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文献概要
図解 初心者のための手術理論 再建手術
造腟術
著者: 加藤順三1
所属機関: 1山梨医科大学産婦人科学教室
ページ範囲:P.185 - P.191
文献購入ページに移動I.手術法の理論的背景
腟欠損症は胎生期におけるMüller管と泌尿生殖洞の発育障害であって,腟欠損・卵管発育不全,痕跡的な双角無機能子宮を伴うRokitansky-Küster-Hauser症候群が多い。したがって,平常卵巣をもち完全な女性第二次性徴をもつにもかかわらず,先天性に絶対不妊症である。
したがって,腟欠損症に対して造腟術を施行することの意義については,造腟術によっても依然として不妊のままであり,造腟が生殖を伴わない単に性行為のためのみであるとの観点から,医師サイドでの倫理的抵抗感がないことはないが,患者の深刻な身体的ならびに精神・心理的不具感を除去するという医学的使命感が存在する。術後,結婚して幸福な生活を営んでいる症例も多いことから,本手術の施行をすすめているが,本人とその配偶者に絶対不妊症であることを術前十分理解させておかねばならない。
腟欠損症は胎生期におけるMüller管と泌尿生殖洞の発育障害であって,腟欠損・卵管発育不全,痕跡的な双角無機能子宮を伴うRokitansky-Küster-Hauser症候群が多い。したがって,平常卵巣をもち完全な女性第二次性徴をもつにもかかわらず,先天性に絶対不妊症である。
したがって,腟欠損症に対して造腟術を施行することの意義については,造腟術によっても依然として不妊のままであり,造腟が生殖を伴わない単に性行為のためのみであるとの観点から,医師サイドでの倫理的抵抗感がないことはないが,患者の深刻な身体的ならびに精神・心理的不具感を除去するという医学的使命感が存在する。術後,結婚して幸福な生活を営んでいる症例も多いことから,本手術の施行をすすめているが,本人とその配偶者に絶対不妊症であることを術前十分理解させておかねばならない。
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