文献詳細
症例
反復卵管妊娠後の妊娠例—persistent ectopic pregnancyにおけるMTX療法の有効性
著者: 岩政仁1 本田賀裕1 松浦講平1 柴田三郎1 田中信幸1 藤崎俊一1 岡村均1 前山昌男2
所属機関: 1熊本大学医学部産婦人科学教室 2大阪逓信病院産婦人科
ページ範囲:P.199 - P.202
文献概要
29歳,反復卵管妊娠の未産婦に対して,患側卵管部分切除,端々吻合手術を行った。術後尿中hCGが400IU/l値以下に低下しないため,術後12日目よりMTX20mg/日を5日間投与を2コース行った。32日目に25IU/lに低下し,子宮卵管造影にても患側卵管の通過性が確認された。本症例は術後9ヵ月に正常子宮内妊娠が確認され,現在順調に経過している。
今回の症例では,既住に片側附属器の摘出があり,今回の卵管妊娠が中絶前であったことより,保存的手術療法を行い,術後のhCG値の低下遷延に対し早期よりMTXを投与し残存卵管の再摘出を回避し得た。保存手術後のpersistent ectopic pregnancyの病態の認識とMTXの有効性を強調したい。
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