臨床婦人科産科41巻4号

1987年04月発行

境界領域の再評価とその展開 特集

老年婦人科学

早発閉経症の病態

著者： 高橋克幸¹

所属機関： ¹国立仙台病院産婦人科

ページ範囲：P.241 - P.244

文献概要

　現在の本邦の人口構成は，確実に，しかも早いテンポで高齢化社会に向かっている。それに伴い，中高年婦人を対象とした健康管理や好発疾患に対する医療は益々重要性をまし，社会問題となりつつある。女性は中年から高年への移行期に卵巣機能は衰退していきついに閉経を迎えるが，その平均年齢は本邦では50歳と数カ月となっている。閉経年齢の年次的推移をみると，数10年前に比較し若干遅くなっている。しかし中には早くから閉経する婦人もおり，そのような婦人は老後の健康に対し大小さまざまな不安をもつことが多い。
　早発閉経症の発生原因や病態についての研究は比較的少なく，今後の検討的課題の一つといい得る。