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文献概要
図解 初心者のための手術理論 再建手術
会陰形成術(陳旧性)
著者: 橋本正淑1
所属機関: 1札幌医科大学産婦人科
ページ範囲:P.339 - P.343
文献購入ページに移動I.手術法の理論的背景
会陰形成術を施行する必要のある疾患としては,子宮脱垂症に伴う腟脱,直腸脱あるいは陳旧性第II度・第III度会陰裂傷またはそれに伴って生じた直腸—腟瘻などであるが,いずれも骨盤底諸筋群,特に肛門挙筋の先天性脆弱,老人性萎縮,分娩による弛緩,断裂とその復古不全,あるいは分娩時の第3度会陰裂傷による肛門括約筋,直腸壁の断裂によるものである。このような場合は裂傷により生じた瘢痕の除去,直腸壁の縫合,肛門括約筋の縫合,肛門挙筋の縫縮,会陰部皮膚の形成を行う。また直腸腟瘻は分娩時の第3度会陰裂傷の縫合の癒合不全,稀には会陰側切開後,腹式・腟式子宮全摘出術後あるいは子宮頸癌に対する腟内小線源(ラジウム,セシウム)照射後に発生する。この場合は直腸を周囲の瘢痕組織から遊離し,瘻孔縁を内翻させて閉鎖する。以上の手術の侵襲は開腹手術や腟式子宮全摘出術などと比較するとさほど大きくはなく,また手技もさほど複雑かつ困難なものではないが,瘢痕化した創面と,これに併発している慢性の炎症や,糞便による汚染や,尿による湿潤のため,手術創の癒合不全が起こりやすい。手術を施行する時期としては,たとえば第II度・第III度の腟会陰裂傷の創傷治癒障害によって発生した陳旧性裂傷では分娩後8週以後が望ましく,また月経のある婦人では終了直後に行うのがよい。
会陰形成術を施行する必要のある疾患としては,子宮脱垂症に伴う腟脱,直腸脱あるいは陳旧性第II度・第III度会陰裂傷またはそれに伴って生じた直腸—腟瘻などであるが,いずれも骨盤底諸筋群,特に肛門挙筋の先天性脆弱,老人性萎縮,分娩による弛緩,断裂とその復古不全,あるいは分娩時の第3度会陰裂傷による肛門括約筋,直腸壁の断裂によるものである。このような場合は裂傷により生じた瘢痕の除去,直腸壁の縫合,肛門括約筋の縫合,肛門挙筋の縫縮,会陰部皮膚の形成を行う。また直腸腟瘻は分娩時の第3度会陰裂傷の縫合の癒合不全,稀には会陰側切開後,腹式・腟式子宮全摘出術後あるいは子宮頸癌に対する腟内小線源(ラジウム,セシウム)照射後に発生する。この場合は直腸を周囲の瘢痕組織から遊離し,瘻孔縁を内翻させて閉鎖する。以上の手術の侵襲は開腹手術や腟式子宮全摘出術などと比較するとさほど大きくはなく,また手技もさほど複雑かつ困難なものではないが,瘢痕化した創面と,これに併発している慢性の炎症や,糞便による汚染や,尿による湿潤のため,手術創の癒合不全が起こりやすい。手術を施行する時期としては,たとえば第II度・第III度の腟会陰裂傷の創傷治癒障害によって発生した陳旧性裂傷では分娩後8週以後が望ましく,また月経のある婦人では終了直後に行うのがよい。
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