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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科41巻7号

1987年07月発行

文献概要

境界領域の再評価とその展開 特集 脳・内分泌腺の手術と産婦人科

機能保存からみた卵巣の手術—とくに楔状切除後の卵巣機能廃絶について

著者: 五十嵐正雄1 鹿沼達哉1

所属機関: 1群馬大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.465 - P.468

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 卵巣は女性にとって極めて重要な臓器であり,排卵とestrogen, progestrone分泌という重要な2機能を兼ねている。したがって卵巣はむやみに摘出すべきではない。子宮筋腫で子宮を全摘する時は勿論,子宮頸癌の広汎性手術の時でさえ,卵巣は出来るだけ保存すべきである。昔は子宮頸癌の広汎性手術の時には両側卵巣を全例摘出していたが,最近私は45歳未満の子宮頸癌では卵巣を摘出しないことを原則とし,例外的に癌が子宮体部にまで進行している例では卵巣を摘出している。ただし子宮体癌では癌が卵巣に転移していることが時々あり,またestrogenは体癌の発癌因子,増殖因子になっているので,両側卵巣を摘出している。
 ところで本論文の主題は「機能保存からみた卵巣の手術」であるので,卵巣を摘出するか,しないかの問題ではなく,卵巣自体にメスを加え,しかも卵巣を保存した場合,手術後どの位卵巣機能を保存出来るか?また卵巣機能を保存するためにはどんな手術手技が好ましいかについて考察したい。最近五十嵐は卵巣の部分切除手術を受けた後数年で卵巣性無月経となり早発閉経を来した症例を4例ほど経験したので,この症例を検討してみる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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