icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻1号

1988年01月発行

指標

ステロイドホルモンレセプターの機能に関する研究—特にtransformationを中心に

著者: 佐藤芳昭1 竹内正七1 T.W. Hutchens2

所属機関: 1新潟大学医学部産科婦人科学教室 2ベイラー医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.7 - P.13

文献概要

 ホルモン研究史上,血中ホルモンの微量測定法であるradioimmunoassay法(RIA)の確立は画期的なことであり,これにより多くの疾患の病態の解明と,その治療に恩恵を与えたことは確かである。しかし免疫学的測定法のもつ宿命として,その測定値と生物学的活性値が必ずしも一致しない場合も多く,ここによりよく内分泌現象を解析するための方法論の一つとしてhormone recep-tor assayが出現してきたわけである。現在では乳癌や子宮体癌などのホルモンのtarget organの癌に対して,receptorの存在の有無によって術前・術後のホルモン療法の適否が決定されるような,臨床的役割りをも持つようになっている。
 しかし乳癌患者の癌組織中のエストロゲンレセプターが陽性であっても,ホルモン療法に反応を示す例は50%にすぎず,また再発時には無反応になる例が大部分であるなど,組織中レセプターの存在と,ホルモン療法への反応性は必ずしも一致しないことが判明し,レセプターとホルモンの結合以後の解析(post receptor system),すなわちレセプターの機能面へと研究は発展しつつある。本稿においては,わたくしたちが現在行っているステロイドレセプター(以下SRと略)のtransformationの面から主としてみた機能と構造の解明および臨床との関連などについて概説してみたい。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら