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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻1号

1988年01月発行

文献概要

原著

子宮頸部擦過細胞診における頸管円柱上皮細胞について

著者: 楠山洋司1 吉田恵1 細道太郎2 馬渕義也2 横田栄夫2 栗林恒一3

所属機関: 1和歌山労災病院病理 2和歌山労災病院産婦人科 3和歌山医科大学第2病理

ページ範囲:P.95 - P.97

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 子宮頸部擦過細胞診で,同一人に綿棒法及びスパーテル法を施行し,クラスⅢa+Ⅲbの出現率をスメア中の頸管円柱上皮細胞(EC細胞)の有無により差異があるかどうか検討した。
1)閉経前2,826人中,スパーテル法でEC細胞の出現は52.5%,綿棒法で20.3%と明らかな差がみられた(P<0.01)。2)クラスⅢa+Ⅲbの出現率はスパーテル法で1.73%,このうちEC細胞(+)で2.36%,EC細胞(−)で1.04%,綿棒法で1.34%,EC細胞(+)で2.27%,EC細胞(−)で1.11%であった。両方の間に,出現率差はみられなかったが,両方ともEC細胞(+)群とEC細胞(−)群の間には有意な差がみられた(P<0.05)。3)クラスⅢa+Ⅲbの検出には,スメア中のEC細胞の有無が大切な要因であり,EC細胞の有無を報告する必要があると考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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