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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻1号

1988年01月発行

文献概要

薬の臨床

β2-Stimulant (Ritodrine)による特異な副作用について

著者: 小林仁1 村田哲郎1 荻野満春1 小池貞徳1 冲永荘一1 貝原学1

所属機関: 1帝京大学市原病院産婦人科

ページ範囲:P.99 - P.102

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 β2-stimulantであるritodrineは強力な子宮弛緩作用を有し,切迫早産の治療薬として広く使用されるようになった薬剤である。大量に使用しても副作用が少ないすぐれた薬剤といわれている。
 今回我々はritodrineの大量投与によってきわめて珍しい副作用を呈した2症例を経験したので報告する。
 第1例は,爪の白色化と好中球減少をきたした症例である。爪の白色化は一般に爪甲白斑といわれ,爪にkeratohyalincを含む細胞が出現するために生ずるといわれている。爪の白色化はβ作用を有するtrazodoneの投与によっても発症すると報告されており,今後注目すべき副作用といえる。
 第2例は強度の胸痛を訴え虚血性心疾患と診断された症例である。β2—stimulantによる頻脈並びに胎盤におけるA-Vshuntに基づく拡張期血圧の低下がその主な発生原因と考えられる。ritodrincの使用にあたっては注意すべき副作用といえる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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