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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻10号

1988年10月発行

文献概要

特集 話題の感染症

産道感染の起炎菌

著者: 武田佳彦1

所属機関: 1東京女子医科大学産婦人科学教室

ページ範囲:P.901 - P.904

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 産道感染は胎内感染でも特異的な感染経路であり,分娩経過中に胎児が感染し,出生後に発症する感染症である。新生児感染症にも特徴があり,子宮内感染が出生後3日以内に発症するのに対して,産道感染では出生後3〜4日と,新生児水平感染と子宮内感染の中間に位置するのが特徴である。
 また子宮内感染では羊膜絨毛膜炎など母体の感染症状が先行し,母体感染症と直接的に因果関係が証明されるのが多いのに対して,産道感染は母体の常在菌あるいは非常在性ではあるが病源性の低い菌によって起こることが多く,母体の感染症として発症しないことがむしろ特徴である。しかも新生児感染は重症形として発症するために,児の予後にとって重要であるばかりでなく,産科医の取扱いの不備として医療事故紛争のもととなることも少なくない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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