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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻10号

1988年10月発行

特集 話題の感染症

クラミジア感染症

著者: 松田静治1

所属機関: 1江東病院産婦人科

ページ範囲:P.915 - P.920

文献概要

 近年クラミジア・トラコマチス(C.trachomatis)が,婦人性器の子宮頸管炎や骨髄内感染症(pelvic inflam-matory disease)の病原微生物として一般細薗とともに重要な位置を占めていることが漸次明らかにされてきた。性(行為)感染症つまりSTDのなかで女性の性器感染症における重要な病原体としてC.trachomatisが欧米で注目され始めたのは1970年代初めであるが,C.trachomatisの感染は女性では男性に較べて特定の症状を現わさないため,その実態が明らかでなく,統計的データはわが国ではそう多くはない。しかし非淋菌性尿道炎の原因の多くがC.trachomatisであることが明らかになるに伴い,STDとしての感染症はC.trachomatisが増加の一途を辿る男性と同じく,女性においても感染頻度の上昇がみられている。
 クラミジアは偏性細胞寄生体のいわば細菌の一種であり,普通の細菌やウイルス,リケッチアでもない病原体(グラム陰性桿菌に類似した微生物)で,分類上はオウム病を起こすChlamydia psittaciと,STDと関係の深いChlamydia trachomatis (C.trachomatis)の2つに分けられ,後者は現在15の血清型に分けられるが,図に示したのが,クラミジアの分類とそれによる疾患である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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