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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻11号

1988年11月発行

指標

胎盤のペプチドホルモン分解酵素を考える

著者: 水谷栄彦1 友田豊1

所属機関: 1名古屋大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.967 - P.979

文献概要

 胎盤にはオキシトシンを分解する酵素やアンジオテンシンを分解する酵素の存在が示唆されていたが,その本体は殆んど不明であった。筆者らは胎盤中の各種アミノペプチダーゼ類を検索し,それら酵素によるアンジオテンシンとオキシトシンの代謝分解について検討してきた。その結果,妊婦血中に存在するいわゆるオキシトシナーゼ(Fekete,1930)やアンジオテンシナーゼ(Page,1947)の性質が明らかになった。最近では胎盤にブラディキニン分解酵素の存在を認め,その酵素の性質も明らかにした。
 オキシトシンは強力な子宮収縮ホルモンであるが,妊娠中期には比較的大量投与しないと子宮は容易に収縮しない。ところが妊娠末期には微量のオキシトシン投与によって子宮は鋭敏に反応し,収縮を開始するので,陣痛誘発に広く使用されており,オキシトシンは古くからヒトの陣痛発来ホルモンと考えられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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