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妊娠とプロラクチン
著者: 宮川勇生1
所属機関: 1宮崎医科大学産科婦人科学教室
ページ範囲:P.1061 - P.1068
文献購入ページに移動 この十数年間の生殖内分泌学の進歩のひとつに『Pro-lactinに関する研究』が挙げられる。これは,Flückiger and Wagner (1968)によるprolactin (PRL)分泌抑制作用のある2-bromo-α-ergocryptine[bromocriptine (Br)]の開発,そしてLewisら(1971),Friesenら(1971)によるヒト下垂体からのPRLの分離精製,これに続くHwangsら(1971),Sinhaら(1973)によるPRLのradioimmunoassayの確立によるところが大きい。PRLの生物作用については,Strikerら(1928)がウシ下垂体前葉抽出物質中に偽妊娠家兎の乳汁分泌促進因子を発見したことに始まり,これまでに100種類に及ぶ多彩な異なった作用が報告されている。その主なものは生殖機能への作用,乳腺の発育促進と乳汁分泌作用,皮脂腺などの成長への作用,水・電解質調節作用,steroid hormoneとの協調作用などである。
私達は,これまでPRLの生殖作用に関するいくつかの研究を報告してきた1-10)。ここでは主に母体,胎児,羊水の3つのcompartmentsにおけるPRL動態およびその生物作用を中心とした研究について述べる。
私達は,これまでPRLの生殖作用に関するいくつかの研究を報告してきた1-10)。ここでは主に母体,胎児,羊水の3つのcompartmentsにおけるPRL動態およびその生物作用を中心とした研究について述べる。
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