文献詳細
文献概要
特集 生殖免疫
生殖機能と自己免疫
著者: 森崇英1 野田洋一1 神崎秀陽1 井田憲司1
所属機関: 1京都大学医学部婦人科学産科学教室
ページ範囲:P.1091 - P.1095
文献購入ページに移動生殖生物学の領域においても,生殖細胞に対する自己免疫によって生殖機能が著しく侵されるという可能性が考えられている。動物実験では,精子抗原で能動免疫を行ったり,あらかじめ免疫しておいた動物よりの免疫細胞や血清を移入することで実験的アレルギー性睾丸炎が引き起こされる1)2)。また卵子を抗原として実験動物を免疫すると,妊孕能が著しく低下することも知られている3)。このような知見は,卵子や精子には自己の免疫応答を起こし得るに充分な抗原性があることを示している。
掲載誌情報