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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻12号

1988年12月発行

文献概要

特集 生殖免疫

妊娠中毒症,IUGRと免疫

著者: 近藤泰正1 千島史尚1 秋山邦久1 早川篤正1 早川智1 今井一夫1 高木繁夫1

所属機関: 1日本大学医学部産科婦人科学教室

ページ範囲:P.1097 - P.1107

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 Human reproductionは生命科学のなかでも最も基本的な問題の一つであるが,これらにはさまざまなミステリーが含まれており,また,多くの考察,展開もなされてきている。すなわち,古くより妊孕現象を移植免疫学的に考察しようとする考え方がある一方,life scienceの急激な進歩に伴って,これらの問題にも画期的側面をもたらされてきており,特に免疫生物学の進歩はlife sci-enceの概念すらも変えつつある。そこで,これらの状況のもとで,妊孕現象を免疫生物学的に考察した多くの報告をみるが1〜8),これらは正常妊娠に止まることなく,妊娠中毒症11,12),流産9,10),子宮内胎児発育不全36,43)などの,さまざまな疾患の病態解明にも応用され注目されている。そして,これらを発展的に考察すると,妊孕現象の免疫学的理解においても,癌細胞の発育と阻止,臓器移植における臓器の生着と拒絶などの問題が,いずれも自然のモデルとして包括されており興味が深い。一方,妊娠中毒症は学説の疾患とも言われているが,その本態についてはなお明らかではない。しかし,近年,妊娠中毒症の病態解明に免疫学的概念を導入し,これよりする研究が報告され注目されている。事実,その発病と病態に対してなされた免疫学的検討は,その病態の解釈とともに,多くの免疫学的関連の可能性があることを示唆している。そこで,私共は妊娠中毒症の病態解明の一環として,私共の知見の一部も加味し,これらの歴史的変遷も含めその可能性につき以下に考察を行う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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