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特集 産科麻酔
新生児の管理
著者: 星順1 仁志田博司1
所属機関: 1東京女子医科大学母子総合医療センター
ページ範囲:P.139 - P.143
文献購入ページに移動 周産期医療の進歩に伴って母体への種々の薬物投与が行われるようになってきた。産科麻酔は19世紀に導入されて以来,無痛分娩および児や母体の適応による帝王切開等の症例が増加し,その際に使用薬剤の母体に対する影響ばかりでなく児にたいする影響が問題となってきた。分娩時に一般に使用される薬剤は,児の長期予後には問題ないようであるが,局所麻酔剤,全身麻酔剤,麻薬等いずれも胎盤通過性が認められ,投与時間,投与量,投与期間によっては分娩後児に移行した薬剤が児に直接影響を及ぼす可能性がある。また薬剤の母体への効果が間接的に児に悪影響を及ぼすことも知られており,このため胎児仮死から新生児仮死といった不可逆的な病態を起こす可能性も考えられ産科麻酔の適応および方法は常に慎重に検討されるべきものである。ここでは一般的に行われる産科麻酔の児への影響とその管理についてわれわれの施設における実際を含めて文献的検討を行った。児の評価に関してApgar scoreでは表現されないsucking,rooting,Moro reflex他のneurobehaviorの評価(Neonatal Behavioral Assessment Scale,Early Neonatal Behavioral Scale,etc.)を用いた研究が数多くなされている。これは哺乳や母児関係の確立に大きく関与するスコアで薬剤の影響を検討することにおいては重要である。
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