icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻2号

1988年02月発行

トピックス

産褥期に無乳汁分泌を示すプロラクチン分泌欠損症

著者: 田部井徹1

所属機関: 1赤心堂病院

ページ範囲:P.143 - P.143

文献概要

 下垂体から分泌するプロラクチン(PRL)は,乳房発育,乳汁分泌,思春期の発来あるいは卵巣機能の調節など女性の生理生殖機能に密接に関与している。とくに高PRL血症が,乳汁分泌を伴う無排卵性無月経を示し不妊の原因となることは良く知られている。一般に,正常成熟婦人の血中PRL濃度は20ng/ml以下であるが,排卵を伴う卵巣機能を維持するには少なくとも3ng/ml以上必要とされている1)。血中PRL濃度が25ng/ml以上を高PRL血症とし,20〜25ng/mlの範囲を境界域とすることが多い。
 高PRL血症の原因は,視床下部の機能低下により下垂体におけるPRL産生細胞の機能亢進によると考えられている。従って,高PRL血症に対する治療は,ドーパミン作動薬であるプロモクリプチン投与が有効であり,下垂体腺腫に対しては外科的摘出術を行う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら