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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻2号

1988年02月発行

生涯研修セミナー 前期破水

薬物療法

著者: 千村哲朗1

所属機関: 1山形大学医学部産科婦人科教室

ページ範囲:P.171 - P.174

文献概要

 Preterm PROMの薬物療法は,その発生原因と治療開始時の臨床条件により異なる。過去10年間におけるpreterm PROMの管理は,発症週数・胎児肺成熟度の要因により保存的療法か積極的分娩誘導方針かが決定されてきたが,NICUの向上した今日においては在胎32週以降の未熟児の生存率は上昇し,臨床的に問題となるのは妊娠28週前のPROMである。基本的には,この期間での胎児肺成熟度は不完全であるため保存的療法によるintact survivalを目的とした妊娠維持が一般的である。
 しかし,基本的方針は理解できても実際の管理にあたっては,臨床的に多くの問題点が存在し,薬物療法の実施にあたっても確立された基準がないのも現状といえる。こうした背景において,従来その薬物療法の主体は,子宮収縮抑制剤tocolyticsと副腎皮質ホルモンcorticosteroidesによる肺成熟化作用の有用性が論じられてきたが,感染に対する抗生物質療法antibioticsの問題は論外におかれてきた傾向がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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