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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻2号

1988年02月発行

文献概要

症例

生児を得た部分胞状奇胎の1例

著者: 安永昌子1 村上俊雄1 中橋隆次郎2 増崎英明1 石丸忠之1 山辺徹1

所属機関: 1長崎大学医学部産科婦人科学教室 2国立嬉野病院産婦人科

ページ範囲:P.189 - P.195

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 最近では,超音波断層法によって異常妊娠の出生前診断が行われるようになり,種々の異常妊娠例の報告がなされている。しかし,部分胞状奇胎(部分奇胎)で生児を得た報告はきわめて少なく,生存胎児を伴う場合の妊娠継続の可否についてはいまだ統一された見解は得られていない。私どもは妊娠8週で胎嚢内の異常エコーに気づき,妊娠11週で生存胎児を伴う部分奇胎と診断し,妊娠30週で生児を得た1例を経験した。部分奇胎は細胞遺伝学的見地から3倍体例,4倍体例および正常核型の2倍体例などに分けられる。また臨床的には正常妊卵と全胞状奇胎との双胎例は部分奇胎と誤認されやすいことがある。そして,これらの母児の予後はそれぞれ異なるとされている。自験例の胎盤は正常絨毛と嚢胞化絨毛が混在し,また児の核型は正常であり,奇形もみられなかったことから,通常の受精による2倍体例と考えられた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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