文献詳細
指標
Epidermal Growth Factor (EGF)と生殖生理
著者: 堤治1 水野正彦1 岡孝己2
所属機関: 1東京大学医学部産科婦人科学教室 2米国NIH分子細胞生物学研究室
ページ範囲:P.303 - P.311
文献概要
生殖現象においても,両配偶子の増殖や成熟に代表されるように,一定の方向性をもち巧妙にプログラムされた細胞の増殖分化が行われている。この生殖現象に何らかの細胞増殖因子が関与していることは容易に想像される。もしそれが明らかになれば,生殖生理の仕組みの理解が進むばかりでなく,未知の病態の解明等,臨床面での大きな展開も期待できる。最近,細胞増殖因子の中でも特に強力な作用をもつepidermal growth factor (EGF)が生殖現象の種々相において重要な働きをしているという知見が得られたので,EGF研究のあゆみの概説とともに以下に報告する。
掲載誌情報