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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻5号

1988年05月発行

指標

Resistant ovary syndrome—排卵誘発が可能な卵巣性無月経

著者: 森宏之1

所属機関: 1大分医科大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.399 - P.407

文献概要

 一般に高ゴナドトロピン性の排卵障害は卵巣性無月経と呼ばれており,排卵を誘発し妊娠を期待することは不可能と考えられている。それは高ゴナドトロピン性の排卵障害は,卵巣から分泌されるエストロゲンが著しく低いこと,および卵胞がないために卵胞で生成されるインヒビンがないことなどにより,中枢へのフィードバックが働かない結果,中枢はゴナドトロピンをいわばたれ流しの状態で分泌することになり,高ゴナドトロピン状態が生じると考えられているからである。すなわち,卵巣ではもはや充分な性ステロイドホルモン・インヒビンを生成している卵胞はないために中枢へのフィードバックが働かないことによると理解されている。従って高ゴナドトロピン性の排卵障害は,現在われわれが行いうる治療では排卵を誘発し妊娠を期待することは不可能であると考えられている。
 しかしながら,近年高ゴナドトロピン性の排卵障害患者の一部に卵胞が存在している症例があり,それらのものでは排卵・妊娠が可能であることが報じられている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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