文献詳細
原著
妊婦および卵巣胎児性癌患者血清抗Oncofetal Antigen—Ⅰ抗体のNude mouse移植腫瘍に及ぼす影響
著者: 十河久美1 樋口正臣1 田中耕平1 半藤保1 竹内正七2
所属機関: 1香川医科大学母子科学講座 2新潟大学産科婦人科学教室
ページ範囲:P.477 - P.481
文献概要
1)妊娠および胎児性癌血清の補体添加群ではコントロールに比し,Nude mouseでの腫瘍形成率の低下がみとめられた。
2)妊婦および胎児性癌血清の補体添加群では共に腫瘍発生までの期間の延長がみとめられた。
3)形成された腫瘍では妊婦および胎児性癌血清,特に補体添加群に増殖抑制作用がみとめられた。
4)形成された腫瘍細胞膜にOFA—Ⅰ抗体および補体が証明された。
以上より,OFA—Ⅰ抗体はOFA—Ⅰ陽性細胞に対し強い補体依存性細胞傷害作用を有することが判明し,OFA—Ⅰ抗体による特異的免疫療法の可能性が示された。
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