icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻5号

1988年05月発行

原著

妊婦および卵巣胎児性癌患者血清抗Oncofetal Antigen—Ⅰ抗体のNude mouse移植腫瘍に及ぼす影響

著者: 十河久美1 樋口正臣1 田中耕平1 半藤保1 竹内正七2

所属機関: 1香川医科大学母子科学講座 2新潟大学産科婦人科学教室

ページ範囲:P.477 - P.481

文献概要

 胎児脳およびMelanomaの共通抗原であるOncofetal Antigen—Ⅰに対する抗体の生物学的意義を明らかにするため,妊婦,卵巣胎児性癌患者の血清およびOFA—Ⅰモノクローン抗体のNude mouseに移植したOFA—Ⅰ陽性Melanoma腫瘍に対する作用について検討した。その結果,
1)妊娠および胎児性癌血清の補体添加群ではコントロールに比し,Nude mouseでの腫瘍形成率の低下がみとめられた。
2)妊婦および胎児性癌血清の補体添加群では共に腫瘍発生までの期間の延長がみとめられた。
3)形成された腫瘍では妊婦および胎児性癌血清,特に補体添加群に増殖抑制作用がみとめられた。
4)形成された腫瘍細胞膜にOFA—Ⅰ抗体および補体が証明された。
以上より,OFA—Ⅰ抗体はOFA—Ⅰ陽性細胞に対し強い補体依存性細胞傷害作用を有することが判明し,OFA—Ⅰ抗体による特異的免疫療法の可能性が示された。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら