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文献詳細

雑誌文献

臨床婦人科産科42巻6号

1988年06月発行

原著

内膜症不妊における腹水中マクロファージの意義

著者: 鮫島哲郎1 増崎英明1 石丸忠之1 山辺徹1

所属機関: 1長崎大学医学部産婦人科学教室

ページ範囲:P.575 - P.578

文献概要

 外性子宮内膜症(内膜症)の不妊原因については,なお不明な点が少なくない。内膜症では腹水中マクロファージ(Mφ)が増加し,精子や卵子あるいは受精卵を捕食するために不妊になるともいわれている。そこで,内膜症の腹水Mφ中の捕食能について,flow cytometric assayを用いて検討した。まず腹腔鏡施行時に採取された腹水中から,Ficoll-HypaqueによりMφを分離する。in vitroで螢光粒子(ビーズ)を捕食させflow cytometryで分析すると,粒子を捕食したMφの割合および1個のMφが捕食した粒子の数を定量的に分析することが可能であった。内膜症以外の例の腹水中Mφを対照として検討したところ,その捕食能は内膜症のMφに比べて低下していることがうかがわれた。本法により,腹水中Mφの捕食能を定量的に評価でき,腹水中Mφが内膜症不妊原因の一因ではないかと考える。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1294

印刷版ISSN:0386-9865

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