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特集 腫瘍免疫療法の試み
文献概要
Macrophage (Mφ)が炎症の場で主たる働きをし,その結果生体防御がなされるということは,約100年前既にMetchinikoffによって明らかにされた。その後Mφ系細胞は,単なるscavengerとしての働きにとどまらず,免疫系全体の調節に中心的役割を担っていると共に,抗腫瘍の面からもリンパ球とは異なった作用を有していることがわかってきた。その活性化Mφから分泌されるTumor Necrosis Factor (TNF)は,それ自身抗腫瘍作用を有することは明らかであるが,生体内の炎症を調節する作用を有する可能性も指摘されて来ている(図1)1)。
以上の概念を中心として従来より我々は,制癌における腫瘍免疫療法の中心的役割はMφとTNFであると考え,1)内因性にTNFを誘導する療法,2)ヒトrTNF自身を投与する外因性療法,3)両者の組み合わせによるEET (endogenous and exogenous/exogenous and endogenous)療法等を創案し実施応用し,婦人科領域の担癌患者に対する新しいBiological Response Modifier (BRM)療法の可能性について検討して来た。したがって本稿では,我々の臨床応用結果を中心に述べ,婦人科領域担癌患者に対するTNFを中心とした腫瘍免疫療法の有用性と,本療法の展望を含めた今後の問題点について記述する。なお本稿で報告する臨床成績は,我々が主催するTNF群応用研究会(水野伝一会長:帝京大学生物工学研究センター)内に登録された症例を参考にした2)。
以上の概念を中心として従来より我々は,制癌における腫瘍免疫療法の中心的役割はMφとTNFであると考え,1)内因性にTNFを誘導する療法,2)ヒトrTNF自身を投与する外因性療法,3)両者の組み合わせによるEET (endogenous and exogenous/exogenous and endogenous)療法等を創案し実施応用し,婦人科領域の担癌患者に対する新しいBiological Response Modifier (BRM)療法の可能性について検討して来た。したがって本稿では,我々の臨床応用結果を中心に述べ,婦人科領域担癌患者に対するTNFを中心とした腫瘍免疫療法の有用性と,本療法の展望を含めた今後の問題点について記述する。なお本稿で報告する臨床成績は,我々が主催するTNF群応用研究会(水野伝一会長:帝京大学生物工学研究センター)内に登録された症例を参考にした2)。
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